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・これまで一般的な男子として生活してきた主人公が、惚れた女子のために女装してひと肌脱ぐぜ!という導入部がひたすら狂っていて良かった。惚れた子がAKBのオーディションを受けるから俺も参加してフォローする!女装して!とゆー導入には、いやそれ以外にも現実的な方法はあっただろう、的な笑いがこみ上げたけれど、漫画的にはこれが正しい。そうでもしないと物語が転がらない。割とどうでもいい動機で女装男子が芸能界入りして…というお話も何ともまた少女少年的で良い。
・すったもんだで、主人公・浦山実(芸名:浦川みのり)とヒロイン・吉永寛子はオーディションに受かり、AKBの研究生として活動することに。以後、女装主人公が男気あふれる言動で研究生メンバーを引っ張りつつ、ヒロインと正規メンバーの心を陥落していく展開へ。この主人公の男気には読者としても惚れる。秋元康氏の無茶ぶりに対して「冗談じゃない!」とキレそうになったライバルを庇って「冗談じゃないみたいなのでよろしく!」と啖呵を切るシーンが一番しびれた。これは女にしておくには勿体ないほどの男気。あ、いや、中身は男だったか。というか男性読者として、よりどりみどりな女子キャラを差し置いて男子に惚れるとかどうなんだ。女子キャラの中ではメインヒロインの吉永さんが一番好きと見せかけて、ライバルの岡部さんの方が好きです。うむ、なんか混乱してきた。
・しつこく少女少年を絡めると、ミノル→ミノリと女装時に名前が変化する主人公も居たなぁ。
・2巻ラストにてそんな主人公に挫折が訪れそうな展開に。これは、今まで他人を引っ張ってきた人間が挫折した時に引っ張り上げてくれるのはこれまでその人が引っ張ってきた人、という僕の大好きなテンプレートが待っているのかも知れないとフライング燃え。巻末の次巻予告でもライバル・岡部がそれっぽいセリフを吐いていて期待が高まるばかりである。ああもう岡部可愛いな。なんだこのべジータキャラ。
・実在するAKB48のメンツをこの漫画に登場させるにあたって、最低限これだけはしてくれるな的なガードはかかっていないのか、的なハラハラ感も味わえた。お着替えシーンを晒される、男に押し倒される、スカートの中に頭を突っ込まれる、湯上りバスタオル姿を晒される、男(女装中)の上に馬乗りになる、熱愛報道を蒸し返される、等など。え、それってアリなんですかと言いたくなるようなシーンが多々あった。この手の漫画の常か特に1話のお色気描写が多かったのだけど、読んでいて、え、これシャイニング娘。的な漫画なの?とか間違った認識を持ってしまうところだった。
・ところでお着替えシーンの見開きで超腹筋割れてる人が居るのだけど、あれは誰だ。絵柄から判断するに秋元才加さん?本人割れてるの?腹筋。
・女装男子に見とれてしまう、ちっちゃな先輩の高橋みなみさんが、すごく、種島先輩とかぶって見えゲフン。みのりの男気に惚れる実在メンバーとしてはこの方が最も可愛らしくて良かった。ガチで赤面してるし。中学生でももっとうまく立ち回るよ、みたいな感じでうろたえてるし。
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