とてもワクワクしながら観れた映画だった。色々と感じ入る所もあったけれど、それは一先ずうっちゃって、画面の中で小人と少年が繰り広げる小さな冒険に見入るだけでいいんじゃなかろうかと思える映画だった。と言うかアリエッティが可愛いよ。
以後、軽く感想を。
・個人的なベスト・ワクワクポイントは、借りぐらしたちが「借り」で手に入れた人間の道具を使うシーン。父エッティの、ボタン電池と豆球を使ったランタンとか、両面テープでロッククライミングとかが最高だった。色々と縮尺が合ってない気もしたけれど、それは瑣末な事です。
・アリエッティが初めて父エッティと一緒に借りに出かけたときの、人間的生活音がものすごい轟音に聞こえる、ってのも良かったなぁ。そしてどうでもいいけど、父エッティとか言ってると、父親が助平、的な意味に聞こえてしまうな。いかんいかん。
・ストーリーは人間の少年が小人の少女と出会う事で始まる、ボーイ・ミーツ・ガール系。大病を患った少年・翔が、絶滅の危機に瀕している小人の少女・アリエッティとの交流を通して生きる意思を取り戻すとか、そんな感じのお話。二人の会話の中で、翔がアリエッティに向かって君たちは絶滅して行く種なんだ、と割とキツイ事を言っている所があったけれど、あれはそのまま自分に帰ってくる様な言葉だったんだろうなぁ。どうせ君たちや僕がいなくなったってこの世界はビクともしないんだよ、と。僕たちは淘汰される側の存在なんだよと。だったら悪足掻きせずに死を受け入れてもいいじゃない、受け入れようよ、的な駄目発言。
・そんな感じの翔が、アリエッティにとっての「世界」である家族を護る手助けをした結果、こんな自分にもできる事はあるのだと、だからまだ生きて行こうと活力を取り戻すラスト、「アリエッティ、君は僕の心臓だ」と言う台詞での締めはとても綺麗。いや、台詞は割とうろ覚えなんだけど。
・家政婦は見た!を地でやっているハルさんが素敵過ぎた。ポジション的に一応悪玉な人なんだけど、憎めないのはこーゆー所があるからかなぁ。
・映画を見終わってからパンフレットをパラパラとめくっていたら、キャストのコメントが紹介されているページが目にとまったのだけれど、驚いた。キャラクターデザインが声を当てている人間の目鼻立そっくりで。特に老齢組(笑)のシンクロ率たるや恐ろしいものがあった。これ、キャラクターデザイン含めある程度出来上がった時点でオーディション、声を当てる人間を選考する、と言う流れじゃなくて、先にキャストを決定した上での作成だったのかなー。
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