引き続きコミックで読んでいるAKB漫画の3巻目。アイドル漫画では無くて、実はこれスポコン漫画なんじゃなかろうか。今のところは、先輩すげー、けど新人も負けないぜ!とばかりのキャラ売りスポーツ漫画にありがちな部内抗争編的な展開に見える。主人公が正規メンバー入りしたら、他の芸能グループとしのぎを削る展開になるのだろうな。そしてその内スポットライトが落ちてきたり、覚醒しちゃう人が出てきたり、コートからスタンドまで飛ばされる人が出てきたりする、と。わしのフリツケは108式まであるぞ。多いのか少ないのか分らない。
しかしこの漫画の自由度はいかほどのものなのかな。それまで何の下準備も無かった高校生男子が女装して女子アイドルグループに参入していたり、実在のメンバーをお色気要因に使っていたりする時点で突き抜けてる感はあるけれど。もう好きにやっていいよーと言われているのなら、ここは是非、昨今の話題の人であるところの非実在メンバー・江口さんを実在メンバー扱いして登場させてほしい。CG CG言われて困ってるんですよねー、的な発言と共に登場させてほしい。誰得なのかはわからないけれど。少なくとも僕は得しない。
以下、本編ネタバレ感想。
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・前巻から続く、1万円のチケットで劇場を満員にしないと、研究生はみんなクビ!なる、秋元氏の無茶ブリに応えるべく、色々奮闘する3巻。この巻でそのエピソードも終わると思っていたのだけど、まだまだ続くのかー。今回は予告が入っていなかったから分らないけれど、4巻では完結するのかのう。
・収録されている話では、先輩にもまれて挫折を味わうエピソードと、本当のファンを獲得するエピソードが良かった。
・これまでのみのり/実は、基本吉永さん(と、彼女と運命共同体な研究生)のために行動してきたので、今一つ芸能活動に本腰入れていない偽物アイドル的なキャラクターだったのだけど、今回、本物のアイドルによる洗礼を受けて自分の無力を痛感→涙してると言う。他の研究生への申し訳なさ感極まって泣いていると言うよりは、自分自身のふがいなさ/もっと何か出来たのではないかという後悔に涙しているような演出で。
・この展開は偽物ヒーローから本物ヒーローへの成長を開始したセナ(アイシールド21)と脳内リンクして燃えたなあ。洗礼を受けた後に、自力の向上を目指してがむしゃらにダンスレッスンしていたのも同じくアイシールド21の雨中のラダー練習を思い出して胸が熱くなった。「一流の選手はあらゆる努力を払い速やかに立ち上がろうと努める。並の選手は少しばかり立ち上がるのが遅い。そして敗者はいつまでもグラウンドに横たわったままである」。ここがみのりの本物アイドルへの成長開始点か。
・実の学校の奥平先生がみのりのファンだ、とわかるエピソードも偽物/本物的な話が絡んでいて面白かった。何でこんな中年男性が制服女子アイドルのファンに?制服女子ハァハァとか言う話なの?と言う疑問に、「みのりのMCに辛いところを救われたから」なる回答をあてているのが上手い。制服「女子」アイドル(みのりの偽要素の最たる部分)としてのみのりに惹かれた訳ではなく、みのり/実の地の部分、「男」気あふれるMCに惹かれたと言う。偽物アイドルの、本当の部分を見つけてくれた・そこを慕ってくれているファンの存在は、本物アイドルへの成長開始要因のひとつなんだろうなぁ。
・3巻も岡部が黒くて最高だった。ぶつくさ言いながらもみのりの危機に駆けつけて、その場をしのいでくれるばかりか以降の成長のきっかけを振りまいていくとか何デレだよ!とゆーところも素敵だった。岡部は黒いよ可愛いよ。
・みのりの正体ばれる?エピソードは、本編よりもカバー裏の方が秀逸だった。謎電波を受信してこの漫画のストーリーを完全把握しているまゆゆすげえ!みたいな。ところで男装女子はアリなのに、何故女装男子はアウトなの?
・みのりの状態で吉永さんと手を握る→握手会で実の状態で吉永さんと手を握る、は今後あり得る本当の正体バレイベントの伏線になったりするのかな。吉永さんに正体ばれて焦る実、けれども彼女のほうは「私知ってたよ」という反応。
・1万円チケットによる試練。過酷な試練を前に研究生の実力が向上してる!とか、そんな設定でも応援してくれるファンがいる!とか、何かイイハナシ風にまとまっているけれど、1万円に設定しているチケットの、普段との差額は一体どこに消えてるのさ。
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