◆本編絡み語り ひぐらし世界の入門編であるところの「鬼隠し編」準拠だった前作に対して今作はその解答編たる「罪滅し編」の邦画化。やはりストーリーは基本的に原作準拠だったので、順当に前作で提示された謎を「観測者毎に物事の受け取り方が違う」というキーで解いた感じのお話でした。
そんなに何回も実写映画化するわけでもないのだろうから、最もベーシックな「出題編」とそれに対する「解答編」の2部構成で締めるのもそれなりに綺麗だよなー、とか、今回ラストは竜騎士07さん監修でオリジナル展開とか言ってたからもしかしたら罪滅し編ラストのあの絶望TIPSが無くなって惨劇撃破!のまま大団円、後味良くして終わるのかなー、とか思って見ていたら
見事にバッドエンドだったという。そ、そうだった。実写劇場版の世界だとまだこの設定出てなかったや、みたいな雛見沢大災害オチのエンディングでした。
と言うかそのオリジナル展開部分で惨劇撃破!の雄たけびのくだりがレナ狙撃される→無力感に打ちひしがれる部活メンバー、と差し替えられていたのでホント後味悪いな!みたいな終わり方になっていてちょっとしょんぼり。
真面目に考えてみるとあれはあれで原作の罪滅し編からはじまり皆殺し編以降で補強される「殺人は最善の手段なんかじゃない」「大事なのは仲間に相談することだ」ってテーマを強調して伝えるための敢えてのバッドエンドだと取ることができるのですが(仲間に頼ることをせずにレナが殺人を犯してしまった時点でグッドエンドとは分岐してしまった、みたいな感じで)、お陰でもうひとつのテーマである「その惨劇は人の手で破ることができる」、が霞んでしまったのが少し残念。いやまぁ劇場版だとそこまで惨劇積み重なっていないんで、そこにカタルシスが無いだけかも知れないですが。
思えば罪滅し編は鬼隠し編で展開した「観測者毎の認識差異」という謎要素を「解」くと同時にそれまではただ踊らされるだけだったキャラクター達が惨劇に対して反撃の狼煙を上げるターニングポイントとしての話でもあったので、前作=前編、今作=中編と据えての次回作=後編の三部作構成も有りかなぁ、とか思いつつ。でも祭囃し編をやるにはキャラ不足・キャラの掘り下げ不足な気もするなぁ、とか思いつつ。せめてもうちょっと圭一のディスティニーブレイカーパラメータと梨花ちゃんの魔女パラメータは上げといて欲しいと思うんだ。
◆その他細々・ちょっとうろ覚えなのだけど、「この世界では駄目だったけど次の世界では・・・」と語る圭一(?)に「別の世界なんか無い、私はこの世界でこの世界のみんなと幸せになりたいんだ!」と叫ぶレナのくだりがあって(あったよね?)、原作の犀殺し編みたいな繰り返しの世界へのカウンター要素が滲んで見えたり見えなかったり。
・うじむしとかむかでとかカンベンしてください。パンフの中で竜騎士07さんが「文字で書くのはすぐだけどそれを実写化するとなると難しい」みたいな発言をしていたけれど僕の中ではアレがその最たるものでした。アレを首筋とか足元とかに張り付かせて演技していた方々はマジ尊敬する。真似しようとは思わないけど。
・CG描写のひぐらしモードの目とか「嘘だッ!」の文字エフェクトとかは流石にギャグ演出すぎたのか今回は無しの方向。ちいぃっ。
・あんなのと対等に渡り合うスポーツ用品とかありえない、てなレベルで肉厚な鉈だったんですが。レナ鉈。あれで知恵先生に切りかかるシーンが真面目に怖かった。
・というか知恵先生、実写版でもカレーキャラをむりくり作ってて笑ってしまった。
・パンフレット付属のCDドラマがブッ飛びすぎてて笑った。オヤシロ様おみくじとか、明らかにバッドエンドまっしぐらのキーワードだらけじゃねぇか、みたいな。
・富竹さんの影が薄すぎると思ったら自己紹介シーンがまるっきりカットされていたとかCDドラマ内でネタバレ発言されててさらに笑った。扱い低いよ、トミー。というか今回初めて映画見た人からしたらただの怪しいおっさんだよ。
・前作と比べて大石さんが別人のよう、
というかガチで別の役者さんだったんですが一体何があったんでしょうか。よっぽどタブーな原因じゃない、かつ次回作も違う役者さんだったりすれば
いいかげんCDドラマ内で突っ込まれる所だと思うのですが。
PR